時々、「料理以外はひととおりできます!」という自称イクメンがいたりするのですが、料理ができないならイクメンを名乗らないでほしいものです。育児は家事と切り離せません。安全で清潔な暮らしをおくるためには掃除や洗濯が必要だし、心身の発達のためには栄養のある食事を食べさせなければいけません。
苦手でもやる気さえあれば、簡単な料理くらい作ることができるはずです。ネットで手軽なレシピを検索することもできます。
主婦もしくは育休中なら、育児も家事も問題なくやれるだろうとパートナーだけでなく、妊娠中の方も思っているかもしれませんが、まずはそういう幻想を捨てることから始めましょう。
『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる最高の子育てベスト55』には、赤ちゃんが生まれたら家事は人に頼って、睡眠と授乳に集中することを勧めています。産後すぐはそういう状況だということを認識しましょう。
0歳児の育児は、24時間365日休みなしのブラック業務です。ひとりではできません。パートナーがどんなに忙しくても、家事能力を身につけた本物のイクメンになってもらい、家事・育児を分担するようにしましょう。
⇒頭のいい子を育てたければ、0歳児の育児と家事を両立しようと思わないこと
両親ともに家事をする環境は、子供が自立するためにも重要です。家事は、家族というコミュニティに所属する全員がすべきことです。家族の誰かが「家事は母親の仕事」とか「男は家事はしないのだ」という考えをもてば、子供の生きていく力が阻害されかねません。
⇒自分で生きていく力、家事能力をつける手伝いをする
子供が親にべったりなのは、数年です。悔いのない育児ができるように、パートナーに相応の家事をしてもらいましょう。産後に急に分担を変えるのは大変なので、お腹が大きくなって家事が辛くなる時期には、ひととおりの家事ができるようになってもらいましょう。
もちろん育児も分担しましょう。お母さんが休める時間を持てるように、そして病気などで何もできない時でも安心して任せられるように。両親が、ひととおりできるようになりましょう。
多くの夫婦が2人以上の子供を望んでいますが、当然といえば当然ですが、父親が休日に家事・育児をする家庭ほど第二子が誕生しています。父親が家事・育児をしない家庭で第二子がいるのはたった1割、父親が休日に6時間以上の家事・育児をする家庭では約9割です(厚生労働省調査)。それだけワンオペ育児で2人の子供を育てるのはできないということです。
まずは、産後いかに大変かという状況を理解するために育児本をパートナーと読むといいと思います。
おすすめの育児本は改めて捕捉します。
パートナーをイクメンにするには
愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンは、出産時に大量に分泌されます。そのため女性は赤ちゃんが誕生すると同時に母親の脳になるのですが、男性は違います。男性は赤ちゃんを抱っこしたり、お世話したりすればするほどオキシトシンが分泌されるようになります。
新のイクメンのオキシトシンの濃度は、だんだんと高まり、最終的には母親と同等になります。つまり、赤ちゃんへの愛情を育むには、パートナーに育児をさせる必要があります。また、『発達障害の改善と予防』によると、父親が赤ちゃんと同じ部屋で寝ると育児に積極的になるという研究結果があるそうです。
なので、里帰り出産はせず、最初から夫婦で子育てをしましょう。最初に離れて過ごしてしまうと、自分より母親の方ができて当然という気持ちが強くなりますし、赤ちゃんがそばにいなければモチベーションも愛情も育むのが遅くなるからです。
イクメンになると子供の発達に(最初は間接的に、後に直接的に)いい影響がある
イクメンが幼少期の子供に直接いい影響を与えるという説はみたことがないのですが、母親の情緒を安定させる効果はあります。また、父親が積極的に家事・育児に取り組むことは円満な家庭にもつながります。そして、母親の情緒の安定や両親の仲がよいことは、子供の発達にいい影響があります。
育児や家事を抱え込んで、自分ががまんすればよいのだ、とうわけにはいかないのです。母親が安心して過ごすことが子供の健やかな成長につながるのですから。
ちなみに、『夢をかなえる能』には、父親の育児参加が乳児や幼児の脳の発達を促すことは少なくても科学的には照明されていない、むしろマイナスというデータさえあるそうです……。慣れない男性が育児をするとイライラするのは当然なのかもしれません。そこを家庭の円満という大きな目で見てぐっとこらえましょう。
しかし、8歳以降になると父親の役割が重要になってきます。『夢をかなえる能』によると、休日に父親とスポーツなどの「遊び」をよくする子どもは、地頭がよく、やる気強いそうです。8歳になってからいきなり子供と遊ぼうとしても難しいので、小さいころから信頼関係を築くことは重要です。
イクメンは出世する
子育てに多くかかわる父親ほど、社会的により出世することが欧米で実証されているそうです(『発達障害の改善と予防』)。