幼児期の運動は体力や運動能力を伸ばすだけでなく、脳の発達にも重要です。
『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる最高の子育てベスト55』には、「平衡感覚と運動能力の土台の上に、ハイレベルの情緒的能力と認知能力が築かれる」「運動することで『問題解決能力』『抽象的思考力』『長期記憶』『論理的思考力』『注意力』などが強化される」とあります。これは大人も同様で、有酸素運動が前頭前野の機能を向上させるそうです(『夢をかなえる能』)。
運動といってもスポーツではなく、体を動かす遊びが重要です。
幼児期にスポーツをしていた子供より、していなかった子供の方が運動神経がいいという調査結果があります。体を動かす遊びには、スポーツよりも多様な動きが含まれるのが一因と考えられています。また、子供は新たに獲得する動きをやりたがるので、自由な遊びは自然と成長に応じた動きにつながり、結果的に運動能力向上の最適なトレーニングになります。無理な動きをしないためケガもしにくいと言えます。多様な動きをするように、さまざまな遊びをするのがよいです。
文部科学省によると、1日1時間を超える外遊びをする幼児は6割未満です。同省は幼児の運動について、どのくらなら十分かは不明としながら、現実的な目標として毎日1時間以上の運動を推奨しています。外遊びが理想ですが、天候や季節などで難しいこともあるので、屋内での活動も含めての時間としています。
同省の調査では、外遊びをする時間が「1時間以上~2時間未満」「2時間以上~3時間未満」「3時間以上」と長くなるにしたがって体力総合評価の平均点が高くなりました。1日1時間というのは最低限で、子供が遊びたいようならたっぷり遊ばせるのが理想と言えます。
積極的に体を動かす幼児ほど、やる気が高く、我慢強く、社交的な傾向にあったそうです。友達と遊ぶことも重要です。より多くの友達と活発に遊びを楽しむ幼児ほど運動能力が高い傾向があります(文部科学省調査)。集団遊びは、脳の発達にも重要です。
ちなみに、全米・スポーツ・体育協会は、0歳から5歳児に毎日60分以上の身体活動を推奨しています。0歳から体を動かす時間を意識的にとるようにしましょう。