カンガルーケアは赤ちゃんの知育になるだけでなく、お母さんもハッピーな気持ちになる

カンガルーケアというと、出産直後に素肌に抱っこすることだと思っている方も多いかもしれませんが、カンガルーケアはもっと長期間に及ぶ育児をいいます。カンガルーの胎児は身長3センチほどしかないうちに子宮から出てきて、自力で母親の袋までたどり着き、外の世界で生きていけるまでその中で過ごします。

人間のカンガルーケアも同様に、ある程度成長するまで、肌と肌が直接触れ合う形で赤ちゃんを抱っこすることをいいます。『夢をかなえる能』では、理想は2年としつつも、半年程度でも十分としています。

伝統的な社会での育児は、赤ちゃんの発育にどのような環境が必要なのかを知る手がかりになります。そのような社会では、赤ちゃんは最初の2年間は母親から片時も離れることはなく、日中は母親に抱っこされ、夜は添い寝してもらうといいます。(『子育ての大誤解』)

カンガルーケアは、母乳がいつでも飲める、見つめあいや微笑みかけなどのコミュニケーションが常にある、適度の動きが与えられることなどが脳の発達にいいようです。(『「学力」と「社会力」を伸ばす脳教育』)

未熟児の赤ちゃんをカンガルーケアし、6ヵ月から10歳まで追跡調査したところ、保育器で育てられた未熟児に比較して、ストレス反応に優れ、睡眠パターンが整い、母親の不安も軽減したという調査もあるようです。(『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる最高の子育てベスト55』)

スキンシップや母親の匂いも赤ちゃんの脳の発達を促すといわれています。笑いかけたり、語りかけも重要です。カンガルーケアは常にこれらができる環境といえます。

具体的な方法は、母親は上半身裸になり、おむつだけの赤ちゃんを抱っこします。肌寒い場合は、赤ちゃんごとブランケットにくるまったり、ゆったりとした前開きの上着を着たりしましょう。素手で抱っこしてもいいですし、赤ちゃんを密着させられる抱っこ紐を使っても便利です。

あやす時は単に抱っこするだけでなく、抱っこして歩いたり、ゆらゆらしたり、小刻みに動いたりした方が効果的です。

外出もその状態でするのが理想だそうですが、現実的でないので、服の上からぴったりとした抱っこ紐を使うのがよいでしょう。

赤ちゃんはすぐに体重が増えるので、生後間もない軽い時期にぞんぶんに抱っこしてあげましょう。赤ちゃんはゆらゆらしたり、歩いたりする振動で落ち着きます。

私はカンガルーケアを知らなかったので生まれたばかりの頃はさほど抱っこしなかったのですが、時間をもどせるのであればボバラップでできる限り抱っこしたいと思います。

兵児帯は持っていたのですが、布が固いので締め付けが心配でした。

カンガルーケアにおすすめの抱っこ紐は「後悔しない抱っこひもの選び方、おんぶは二の次にすべし」で紹介しています。