非認知能力は家庭内では伸ばせない!親ができることは?

学校のテストでよい点数をとる能力は認知能力です。一方で、友達とよい関係を築いたり、目標に向かって粘り強く努力する能力は非認知能力と呼ばれます。

幼少期に認知能力を鍛えても、成長するとともに優位性はほとんどなくなり、何もしていない子供と同様になります。

非認知能力が高いと、認知能力も伸びる傾向にあります。当たり前ですが、がんばる子の方が学力も伸びるからです。社会での成功も学力より非認知能力の方が強い影響を与えます。

大学や企業でも、非認知能力が高い人を採用しようという動きがすでにあり、今後はいっそう拡大していくでしょう。

それならば子供の非認知能力を高めてあげたいですよね。

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非認知能力とは何なのか?

非認知能力で有名なのは楽観的であることとや自制心、「やり抜く力」などです。

非認知能力といわれると馴染みが薄いですが、平たくいうと「性格」のある特性を非認知能力と言っているだけです。楽観的であることや自制心の強さは、いずれもそういう性格であるというだけです。

つまり、どのようにしたら非認知能力を育めるのか知るためには、性格がどのようにして形づくられるのか知ることが必要です。

非認知能力はどのようにして形成されるのか

性格はだいたい半分が遺伝で残りが環境の影響で形成されるといわれます。環境には二種類あって、家庭内の環境と家庭外の環境です。

そして家庭内の環境は性格にほとんど影響を与えないことが数々の調査で明らかになっています。少なくても、親が意図的に子供の性格に影響を与えることは困難です。

子供を持つ親には残念なことかもしれませんが、非認知能力は家庭内の取り組みでは伸ばせないということです。

非認知能力を育むための絵本の読み方とか、遊びや食事での関わり方といった都市伝説が存在しますが、科学的な検証をして有効だとされている方法はありません。繰り返しになりますが、むしろ科学的には親のやることの影響力はないことが証明されています。

非認知能力は社会とうまく関わるための能力であり、社会の中でしか養われないのは考えてみれば当然のことといえます。

子供にとっての社会とは、同年代の子供の集団を意味するので、子供は友達との関係の中で非認知能力を身につけていきます。

なので、非認知能力を伸ばそうと思うのであれば、幼児であればまずは同年代の集団で遊ばせることです

なぜお友達や子供集団が大事なのか?

子供は親より同世代の子供から学習するように遺伝的にプログラムされています。

人類は歴史的に何百万年も狩猟採集生活をしてきて、農耕生活をはじめたのはわずか1万年ほど前です。遺伝的なプログラムはすぐに変わるわけではなく、今も狩猟採集時代の子育てに最適化されています。

狩猟採集時代の大人の男性は狩りにいくので育児に参加しません。子供を生める女性は乳児の世話をしていました。子供が2歳~3歳くらいになると次の子供が生まれ、母親は下の子の面倒をみるようになります。

しかし2歳~3歳の幼児がひとりで生きてはいけないので、日中は子供集団でします。親とは最低限のコミュニケーションがとれれば生きていけますし、親から学ぶ機会はさほどありません。多くのことを子供の集団の中で学ぶことになります。

だから、人間の子供は子供どうしで学ぶように遺伝的にプログラムされています。そして、子供集団の中で性格も形成されます。

悲観的で忍耐力がなければ、お先まっくらなのか

自制心がなく、悲観的であったら人生の成功から遠ざかるのか?そうとは言えません。

自制心や楽観的な性格が成功をもたらすのは、それらの性格が成功をもたらすような行動を引き起こすからです。

性格を変えることは難しいのですが、行動を変えることはできます。そして、行動を変えれば、性格が変わったのと同様の効果があります。

この点については、今後捕捉していきます。

非認知能力を伸ばす方法

幼児期

幼児であれば、友達集団で外遊びをしましょう。

子供が0歳、1歳なら無理のない範囲で、2歳になったら本格的に子供集団で遊ぶ環境を考えましょう。もちろん子供によって、お友だちに興味を持つ時期は異なりますが、だいたい1歳半~2歳半くらいが子供集団にデビューする頃合いです。

数名では少なすぎる可能性があり、できれば7人以上はいた方がよいでしょう。近所に幼児が集まる公園があればいいのですが、現代ではそういう環境はなかなかないので、育児サークルに入るか、保育園や幼稚園で遊び友達を確保するといいと思います。

私は対人コミュニケーションが苦手で、子供にも遺伝している可能性が高いと感じたので、本人が友達に興味を持ち始めた1歳半頃に保育園にいれることができてほっとしました。

私自身は4歳から2年間の幼稚園生活でまったく馴染めなかった経験があります。もっと小さい頃から顔見知りがいたり、集団に慣れる機会があったら、お友達がたくさんできたのではないか、そしてコミュニケーション能力が申し越しはマシな大人になったのではないかと思うからです。

小学生以降

非認知能力は、小学校以降が本番です。よく脳科学などでは、7~8歳までに重要な時期が終わるとされていますが、非認知能力に関しては、小学校からが本番です。

子供が夢中になる習い事や課外活動があるといいでしょう。
おいおい捕捉します。