3歳頃になると、季節というものがあるということが分かってきます。小学校受験では、季節に関する豊かな経験を問われることもあります。受験を意識している家庭は、意識的に季節のイベントを生活にとりいれるとよいと思います。受験をしない家庭でも、一般常識として季節を知っていることは重要です。
それより何より、親子で季節を楽しむことはとっても楽しい!
子供と季節を楽しもうとして、気づいたのは、親がいかに季節感のない生活を送ってきたかということでした。このページは、親子で四季を学び、楽しむためガイドです。
月を見上げて「太陰暦」を感じる
もともと日本では、月の満ち欠けをもとにした「太陰暦」で生活していました。日本人は月が大好きです。月を詠んだ和歌も多くあります。現在は、太陽暦なので、月の満ち欠けと暦は関係ありませんが、月の変化で時間の経過を感じ取ることができます。
まずは、子供と外に出たら、空を見上げて、月を探してみましょう!
おすすめは、月の満ち欠けが分かるカレンダーをリビングに飾ることです。うちの子は、カレンダーを見て、「今日のお月様は?」と、毎日確認しています。我が家で愛用のカレンダーには、月の出の時間は書かれていませんが、月の動き(後述)を把握していると、だいたい推測できます。
二十四節季・七十二候で知る、季節の移り変わり
季節の変化は月の動きではなく、太陽の動きに連動しています。月の満ち欠けをもとにした「太陰暦」のデメリットは、徐々に季節と暦が合わなくなってしまうということです。
そこで、現代では多くの国が太陽の動きに基づいた「太陽暦」を採用しています。さらに、日本には太陽暦に基づく季節として、1年を24の季節に分けた「二十四節季(にじゅうしせっき)」と、72に分けた「七十二候(しちじゅうにこう)」があります。
例えば、「立春」「啓蟄」「春分」「夏至」などは、二十四節季です。祝日になっている日もありますね。毎年日付は変動します。国立天文台が、毎年2月に翌年の国民の祝日や二十四節気などを発表しています。そして、それがカレンダーに反映されます。
暦の上の四季は、一般の感覚の四季とはちょっとずれています。例えば、暦の春は2月4日頃の「立春」からです。俳句の季語は、この暦の上での季節が使われます。お礼状など、かしこまった手紙を書く時の時候の挨拶も、暦の上の季節をもとにします。暑中見舞いを、暦上の秋である「立秋」(8月8日頃)以降に出すと、季節外れということになってしまいます。
七十二候は、二十四節季をさらに三等分したものです。この七十二候は、自然界の移ろいを表す名称がつけられており、季節感をつかむのに最適です。例えば、4月5日頃の「玄鳥至(つばめきたる)」は、春になり海を渡ってツバメがやってくる様子を表しています。11月8日頃の「山茶始開(つばきはじめてひらく)」は、サザンカ(=山茶花)が開き始めるという意味です。ちなみに、山茶花(サザンカ)と椿(ツバキ)は似ていますが、違う花です。
。我が家のカレンダーには、月の形だけでなく、二十四節季と七十二候も書かれています。七十二候をきっかけに、自然の変化に注目して、季節の移ろいを感じています
月齢と二十四節季・七十二候の入っている歳時記カレンダー
我が家で大活躍のカレンダーは、「シーガル 歳時記カレンダー B3判」です。それまでドラえもんカレンダーだったので、こちらに変わった時は、子供はちょっとびっくりしていましたが、月の形が描かれているのが気に入り、ドラえもんカレンダー以上に毎日チェックするようになりました。
もう一つ気になっているのが、高橋書店の歳時記カレンダーです。今年はシーガルにしたので、来年はこちらの高橋書店の歳時記カレンダーにしてみようかなと思っています。
高橋書店の歳時記カレンダーは、月や二十四節季・七十二候の他、シーガルにはない「今日は何の日」についても掲載しています。シーガルは、季節の和歌や、行事・動植物の読み物もあるので、情報量としては甲乙つけがたいです。
カレンダーとしての見やすさは高橋書店の方が上かなと思います。シーガルはレイアウトが凝っていて、カラフルな分、ちょっと見にくいです。しかし、個人的には、シーガルの色味は気に入っていて、高橋書店のシンプルさではちょっと物足りない気もします。
秋ぐらいに購入したら、比較してレビューしますので、気になる方はブックマークしてまた見に来てください!
季節の楽しみ方
季節の移り変わりを楽しむには、まずは外に出て自然に触れ合うことです。梅や桜を見にピクニックに行ったり、紅葉を見にいく、稲の成長を観察する、果物や野菜を収穫するなど。また、季節のイベントをしたり、季節の歌を歌ったり、子供と季節の食材を使って料理するのもおすすめです。
しかし、大人になり季節感のない生活をおくっていたせいか、季節ごとの自然の移り変わりも、行事も疎くなっていました。いざ、子供と行事をしよう!と思っても、そもそもの由来など気になってきます。そこで、「きせつのぎょうじ絵辞典」と「きせつの図鑑」を買い、季節ごとの行事や動植物をチェックすることにしました。
「きせつのぎょうじ絵辞典」には、行事の解説や子供と作れる料理のレシピ、季節に関連した歌などが簡潔に掲載されています。主な記念日・祝日も網羅されていて、今日は何の日?という子供の疑問にも答えてくれます。通常版と小型版がありますが、子供でも手軽に手に取ることができる小型版がおすすめです。内容は同じです。
「きせつの図鑑」は分厚く大きいので、普段は「きせつのぎょうじ絵辞典」ほど手に取りませんが、その分情報量が多いです。行事の解説や季節の歌の他、四季それぞれの主な星座も掲載されています。特に動植物の解説は充実していて、似てる植物の見分け方など参考になります。
今は「きせつのぎょうじ絵辞典 小型版」を見ることが多いですが、子供が大きくなって、より幅広く知りたくなったら「きせつの図鑑」が活躍すると思います。
季節の折り紙
季節の行事には関連する「小道具」のようなものがあります。例えば、ひな祭りなら雛人形、端午の節句なら兜やこいのぼりです。女の子だけの家庭には兜などは無く、男の子だけだと雛人形がなかったりしますよね。その場合でも。折り紙でつくれば、楽しめますよ!既製品をかうよりも、むしろ楽しいのでおすすめです。毎年、毎年作れば、成長も感じられますよね。
我が家では「きせつのおり紙」を参考に、行事に関連した折り紙を折っています。
「きせつのおり紙」は全般的に3歳児にはちょっと難しいので、親と共作しています。雛人形(↓)は、折るのは半分くらい手伝い、レイアウトは全て子供が自分でやりました。セロテープを使って、一生懸命やっていました!(屏風が裏表になっていたり、畳が逆だったりと、見本とはかなり違います!が、それもよい思い出)
ちなみに「きせつのおり紙」は、3歳だとちょっと難しいので、子供がなるべく自力で折る時は、「3・4・5さいのいつでもどこでもおりがみ ともこ園長先生の脳力がぐんぐん育つ!」を見せていますが、こちらは季節とはリンクしていないので普段用という感じです。初めての折り紙におすすめです。
季節の流れを身近に感じる絵本
3歳の子供は、まだ季節の概念や移り変わりの順番を理解していません。季節がどのように変化していくのか、手軽に伝えるには、絵本がおすすめです。
「かばくんのはるなつあきふゆ」は、小学校受験の対策としてもよく読まれているようですが、大人も一般常識として知っておきたい、四季にゆかりが深い動植物やイベントなどが簡潔にまとめられていておすすめです。春夏秋冬の庭の様子が描かれ、季節の移り変わりが分かるようになっています。
あまり絵本をよまないう子供も気に入り、何度も読んでいます。そして、梅を見て、「春!」と言ったりしています。
その他にも、リンゴの木の1年を描いた「りんごのき」や、葉っぱの1年を描いた「葉っぱのフレディ」などもありますが、うちの子のお気に入りはかばくんの絵本です。
月の動きと見え方
月は太陽と同じく、東から出て西に沈みます。月は少しずつ満ち(または欠け)ながら、毎日50分程度、遅れて出てきます。新月は、日の出とともに昇り、日の入りとともに沈みます。新月から約15日たつと、満月になります。満月は、日没とともに昇り、日の出とともに沈みます。満ち欠けして、約29.5日で同じ状態に戻ります。
ざっくり目安では、月が輝いている面積の広さ=夜に出ている時間の長さです。新月(全面輝いていない)=夜間にでていない。満月(全面輝いている)=夜間ずっとでている。
三日月より満月を見かけることが多いのは、見えやすい夜の時間に長くでているからです。三日月のように細い月は、夜間はわずかな時間しか出ていません。日中は長時間出ていますが、近くに太陽があるので見えにくいのです。月はご存知の通り、太陽の光を反射して輝いて見えるだけなので、太陽よりずっと光が弱いのです。しかし、注意すれば日中に見えることもあります。夜明けや明け方など、太陽の光が弱い時間帯なら三日月が見えやすくなります。
半月(上弦or下弦の月)は、太陽から距離があるので、昼間でも見やすいです。半月は正午頃に出てきます(または沈みます)。夜に出歩かないからといって、月が見られないということはありません。
- 満月=月全体が見える=夜中出ている(昼間は隠れている)
- 半月より太い月=夜に長くでている(昼間は隠れている時間が長い)
- 半月=月の半分が見える=夜と昼、半分ずつ出ている(昼も夜も見えることが多い)
- 半月より細い月=夜明けor朝方に少しだけでている(主に昼間に出ているが、太陽に近いため見えにくい)
- 新月=月は見えない=昼間出ているが見えない
見えやすい月とそうでない月がありますが、いずれにしても、1日の半分は隠れている(地表が月とは反対を向いているため見えない)ので、見える時間と見えない時間があります。